第4日目 4月17日(金)



午前6時半
 起床。
 今日は、鳥のさえずりで目を覚ます。ウグイスは「ホーホケキョ」と鳴くと思っていたが、「ホーホケッ」と鳴く鳥に笑わされる。鳴き方が下手なのか、異なる鳥なのかの確認はできていない

            



午前7時
 入浴。
 朝風呂も、ここまで自然に囲まれるとヤミツキになる。

 風呂から出ると、おばあさんが草むしりをしていた。急いでいる振りをして小走りながら挨拶を交わす。
 階段を駆け上がると、学生さんのお出かけに遭遇。挨拶をしたが無視された。

            



午前7時半
 「ははじま丸」の出航で、汽笛が鳴る。
 どの目覚ましよりも迫力がある。

            



午前8時
 ズボンをかけた壁下に、小さな白い物体を発見。珊瑚であった。
 昨日浜辺に行った際に、ズボンの裾にもぐり込んだのであろう。

 これは私が持ち帰ったのではなく、珊瑚が勝手に入ってきたと判断。
 よって持ち帰っても宜しいでしょうと・・・。

            

 父島の二見港は、当然人工的に作られた港でコンクリートで固められている。
 二見港と、宿であるシルバームーンの間に道路があり、そのシルバームーン側に大木がある。港ができるまでは、その木が海との境界に在ったと昨日のおばあさんの話。
 その話を聞いた後、偶然行った浜辺は港側にあり、昔は珊瑚礁が沢山生息していたとは明白。ズボンの裾に入ってきた珊瑚の訴えと、おばあさんの話がここでつながってしまう。

            

            

 これぞアニミズム・・・こんな神秘的な経験はなかなかできない。
 やはり何かあるぞと背筋がゾクッとする。



午前8時半
 空腹を示すシグナルが鳴り、空想の世界から現実に引き戻される。



午前9時
 フラフラ散歩をしながら朝食を探すも、美味そうなモノが見つけられず、パンとお茶を買って宿に戻る。

            



午前9時15分
 仕事を始める。今日は宿にて書類と議事録整理に加えて消防からの連絡待ち。



午前10時
 メールチェックを忘れていた。
 北海道の川崎さんからメール有り。ウチワを仰いでいる私とは対照的に、「まだストーブを使っている」とメールに記されていた。
 その他数件の仕事メールに返信する。

 今日は比較的涼しいほうかもしれない、雨が降りそうな曇り空。



午前11時
 突然のスコール。今日は内勤でよかった。



午前11時50分
 会社に電話。
 打合せ事項を確認し、午後1時から電話で打合せをしようと約束。



正午
 雨が止んでいた。
 急いで昼飯を探す。“カメの店”には、スコールだから行けなかったと言い訳ができる。
 弁当屋のガラスを叩くと店のおばあさんが出てくる。ここからまた漫才の始まり。


 陳列され山積みの弁当を見て、

  田中:「何種類の弁当があるんですか?」
  店員:「1種類しかないのよ。」
  田中:「でも数種類あるようにみえますよ・・・ほらこれとこれ違いますよね?」
  店員:「一緒よ。ご飯の部分をおにぎりにしたり、入れ物の形状が違うから、
      小さく刻んだりしているだけ。」
  田中:「入っている量も違うようにみえますが。」
  店員:「そうね。」
  田中:「じゃぁこれください(中くらいの弁当を指差す)。」
  店員:「無理よ!」
  田中:「えっ、何か?」
  店員:「あなたの体型じゃぁ、一番大きいのを買わないと。」

 ・・・と言われ、一番大きなお弁当を買わされた。
 値段は750円。高いなと思っていたらお茶まで買わされ890円。

           

 結構ご年配の方なのに、かなり面白い会話だった。そのやり取りは文章ではちょっと伝えきれない。
 私はカラカイ易いのか・・・。



午後12時15分
 足早に宿に戻り、窓を開けると外はスコール。 ラッキーだったなぁと思いながら、あのおばあちゃんの顔が忘れられない。

 父島は私を楽しませて驚かせてくれている。



午後12時50分
 おばあちゃんに騙された。こんなの食いきれん。
 下で雨宿りしている猫らにあげると、喜んで食べた。知らぬうちに猫の餌まで買わされたということか・・・。



午後1時
 仕事を始める。
 ここと会社での電話だとタイムラグが生じてしまい、イライラ発生。仕方ないことと思いながら、何とかやり取りを終える。



午後2時
 設備設計の担当と電話でやり取り。

 外のスコールは止むことなく降り続く。
 横樋はオーバーフローし、雨の激しさを感じる。



午後3時
 携帯が鳴り、消防からの呼び出し。
 歩いて15分のところだが、この雨の中での呼び出しは多少の嫌がらせか。



午後3時15分
 打合せ開始。
 打合せというよりは、相手は新任なので一から教える感じだ。まぁ、これも仕事と思いつつ、ズボンがズブヌレとなっている事をさり気なくアピール。

 いくら説明しても、「また分からないことがあったら連絡する」と言われる・・・ガッカリだ。何も理解してもらえていないのでは・・・と推測する。



午後3時40分
 弁当屋の前を通る。
 もう店を閉めている。

 ・・・気楽な商売だ。



午後4時
 大きな汽笛と共に、「ははじま丸」が帰ってきた。
 今日の日帰りツアーは最悪だったろうに・・・。



午後4時半
 早速消防から電話が入る。

 もう明日は帰るというのに、バタバタしてきた。
 施主などにも連絡。仲介役も仕事だ。



午後5時半
 もうこんな時間だ。
 携帯が次から次へとかかってくる。何を今更こんな・・・という状況だ。



午後7時
 まだ仕事が片付かない。困った。



午後8時
 もう我慢の限界と感じ、繁華街へ。
 傘を差し、特に迷うこともなく何時もの店へ。

 店長は見て見ぬ振り、その他は歓迎モード。昨晩に続き、これはおかしい環境と感じる。今宵は最終日だからかにぎわっている。



午後9時
 座敷にいる若者が飲みすぎてしまい、小さな騒ぎとなる。田中への悪影響は異臭程度であろう。

 3日間しか来ていないのに、六本木の焼鳥屋と変わらぬ応対を嬉しく思う。



午後10時
 明日の昼に食べに来る事を約束して、早めの帰宅。明日の昼は最後だから来るようにと視線を感じる。
 店長の見たことの無い手を振る姿、記憶から抹消せねばならないと感じる。



午後10時半
 宿に帰ると学生君の部屋に来客がある模様。騒ぐなよと念じる。
 急遽予定された明日の朝の打合せの為、今日は早く床に入る。

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