第6日目 4月19日(日)



午前6時
 目が覚める。
 揺れが収まった・・・それにしても本当に遭難するかと思った。



午前6時半
 寝すぎて腰が痛い。顔を洗い、歯磨きを済ませる。



午前7時
 船内アナウンス。
 定刻通りに到着予定と聞く。今回の荒波で定刻通りとは、かなりの腕前だと素人ながらに思う。



午前10時
 テレビの裏にあったコンセントを独り占め。
 現在大島近辺のようだ。あと数時間で東京湾内。そうしたら、仕事を始めよう。

 携帯電話の電波は非常に便利だが、安らぎを喪失させるエリアを生み出している。

 私が学生の頃、とんねるずが「みんなを電話にする会社」というキャッチフレーズで、NTTパーソナルのCMをしていた。このCMは、時代を先読みしているとかなり強く感じていた。私の中で最も印象的なCMだ。当時、携帯電話を持っていたのは、数%であったはずなのに。約15年後、今では「みんなが電話」になった。



午前11時
 何も考えない時間を楽しもうと、壁にもたれ目を瞑る。



正午
 腹からのシグナル有り。動いていなくても腹は減る。肩こり酷く、廊下で柔軟体操をする。

 今日は日曜だから、会社の心配は不要。少し気が楽な圏外期間だ。でも今日は誰も植木に水をあげてないだろうから、直帰はできない。

 あと3時間半、空腹を我慢しようと誓う。レストランからの営業アナウンスにも負けず。



午後1時
 東京湾内に入る。湾内に入ると波は穏やか。携帯圏内となる。

 会社に連絡。
 誰もいない・・・当たり前だ。でも誰もいない事で安心感を得る。これでも一応小さな会社の社長なので・・・。

 それにしても、おば様軍団は飯の時間になると騒ぎ出す。そんなに食べたら気持ち悪くなるぞと言いたいが、何故か元気だ。底知れぬパワーを感じる。

 私はカーテンを閉め、彼女らの視界に入らぬよう努力をする。



午後1時10分
 到着予定時刻の訂正アナウンス。
 「10分遅延に訂正させてください」と申し訳なさそう。

 25時間半もの航海で、10分の遅延をアナウンスする必要があるとは思えない。おそらく以前、アホな客がクレームをつけた事があるからであろうと推測する。
 あの荒波の中、10分しか遅れないのは拍手モノだ。



午後1時20分
 ソファへ移動中、足がつる。
 ソファの上でストレッチ。周囲から白い目で見られていないとよいが・・・。



午後1時40分
 綺麗な空気から汚れた空気へ突入する。前回は頭痛で悩まされたが、今回は大丈夫か心配だ。

          



午後2時
 帰り支度を始める。
 おば様軍団から離れたいと思ったのが正直なところ。



午後2時半
 羽田空港を発着する飛行機を眺める。重たそうな機体がよく飛ぶものだ。

          



午後3時
 到着デッキなどを伝える船内アナウンス。
 デッキから観光客はカメラでレインボーブリッジを撮るが、私は自分の現場の写真を撮る。

 変な奴だと思われたろう。



午後3時40分
 到着。

 「疲れた〜」と思いながら会社を目指す。



午後4時
 そういえば、あの女性にお礼を言っていなかったと思い、彼女を探す。



午後4時10分
 これも不思議だ・・・あの女性は現れない。また何時の日かお会いできるかな。
 脳ミソが揺れてフラフラした状態が続く。

 次回の渡航は7月。



午後5時
 会社へ戻り、明日の打合せ資料をチェックする。



・・・これにて小笠原村父島出張日記は終わり。



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