第5日目 10月18日(日)



7時
起床。

今日は最終日!
思い残すことがないようにせねばならない。

外はドシャブリの雨。
まるで前回渡航した際の台風のよう。

     

           



10時
施工会社の親分に電話。
10分後に迎えに来るという。



10時10分
車に乗り山奥へ。



10時20分
天気はコロコロ変わり、豪雨と曇り空の繰り返し。
ここからは歩くしかないと言われ、車を降りる。

降りたら直ぐに川があってトオセンボウ。
よく見ると川は歩道であった。

それにしても見られる範囲にあったサルスベリでさえ銘木であり、
一体奥にはどんな銘木があったのか、行く手を阻まれ残念である。

           



10時30分
諦めて別の場所へ。

大きなガジュマルとベンガルボダイジュ。
残念ながら豪雨なので車外にも出られず、車内から窓を拭きながら確認する。

それにしてもこの木々は私のイメージ通り。
一つの幹から枝が生え、その枝からも根が生える。
それを繰り返す事で、構造体が結成されている。

私の追い求めていた巨木であった。

     



10時50分
冷静なフリをして、運転している親分の言葉に空返事。
やっとあの建築を建てられる環境を見つけられた。
帰路中の車窓から、滝が多数形成されている。

この島は基本岩盤なので、
雨水は透水せず、そのまま海まで滝となり流れ落ちる。
よって豪雨時には大きな滝が幾つも出現する。

           



11時半
島を一周してもらい、彼らのやっている土木工事等も見せてもらった。

本当に必要かといわれれば不要な工事であることも認めた。
雇用対策のような工事は、島の人口減少を防ぐ為と聞く。
減るのが悪いことではないとは思っているらしいが、
社会の空回り現象を垣間見ることができた。



12時
深々と頭を下げ、車を降りる。
いろいろ考えさせられた。



12時10分
最後の昼食はあの店へ。

カメ店長は不在だったが、冷やしたぬき蕎麦を大盛りで注文。
私が入店した時は客がいなかったが、
蕎麦がテーブルに載ると満席となっていた。

この客は「たぬき」ではないだろうかと馬鹿なことを考える。



13時
忙しそうな店員に「次は12月に来ます」と伝える。



13時10分
土産を買い、宿に戻る。

宿のお母さんの出迎えに、「雨宿りさせてもらってもよいですか?」ときく。
「どうぞ」と言われ、ハンプティダンプティのようなお母さんと、
初めてテーブル越しに話をする。

島で生まれたが、元は英語圏だったので日本語は話せなかったと。
父は軍人で、戦争で片腕を失ったが、
非常に起用な人で、片手でボタンを縫い付けることもできたし、
建築をいじることにも興味があり、自分はその血を受け継いだと感じると。

嬉しそうに“この部分をこう改修した・・・”等、
私がプロと知っているのに楽しそうに話す。

愉快な時間は時計を早め、気付くと13時半を過ぎていた。



13時40分
お母さんが傘を持って港まで送ってくれた。

雨だからであるが、送ってもらうのは初めてで少々嬉しかった。
嬉しかったからか、搭乗手続きを忘れていた。



14時
ギリギリで乗り込み、そのまま出港。

     

     

何時もよりも少ない見送りは雨のせいだろう。
疲れたと思い、椅子に座ると直ぐに手招きされラウンジへ。

宴会が始まっていた。
酔っ払う前に私の仕事振りをかなり褒められ、勘弁してくださいと言ってもその行為は続く。
こう言われると「本当に仕事をしていて良かった」と思う瞬間である。
同時にこれからはこういう方々と仕事をしたいと思う。

現実にはまだ無理だが、私も仕事を選ぶ歳になったか・・・と生意気な気持ちになった。


気付くと24時。
かなり盛り上がった宴であった。
10時間も酒を飲み続けるとは、皆パワーがある。

床に就くと直ぐに寝てしまった。

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