第3日目 12月9日(水)



7時
起床。

実は夜中に寒くて目が覚めた。
窓は閉め切り、毛布をかけていたのにもかかわらず。
父島では初めての体験だった。



7時30分
今日もいい天気だ。

部屋で待機している理由は、他の客が食事をしているから。
東京都の職員と聞いているので、あまり顔を合わせない方が良いとにらんでいる。



7時50分
風呂に入り、8時半に朝食をお願いする。



8時30分
朝食はいつも通り美味い。



9時
昨日の打ち合わせ内容のチェックと、今日一日の仕事準備。



9時30分
宿を出る。

今日はかなり眩しい。
雲も逃げたくなるような日差しである。



9時40分
ショートカットトンネルの先に、猫が4匹待機していた。
近寄っても逃げないし、私から目を離さない。

           

     

なんだこいつらは・・・言いたいことがあるなら早く言え!
鳴きもせず背中を円め、ただジィ〜ッと見ている。

     


10時
打ち合わせ現場到着。



11時
打ち合わせ終了。

思ったよりも早く終わったのは、
こちらが求めているものがほとんど提出されなかったから。



11時10分
シロワニという名のサメが隠れる場所を見学。
ある人から「釣ってこい!」と言われているのに、数度通りかかったが姿さえ見えない。

     



11時20分
シロワニを待つと、クラゲが波に流されてこちらへ近寄る。
写真を撮ろうとカメラを向けると海に浮かぶリングを発見。

よく見ると緑色で、
黒川先生が、共生新党のシンボルに使われたものと同じ形状であった。

     

当然取ってやろうと思って手を伸ばすと、足を滑らせて片足が水面下へ。
危なくサメの餌食になるところだった。

本当に冷や汗をかいたが、天国からの悪戯か・・・。
道端の雑草(?)を引っこ抜き手繰り寄せ、
根っこにリングを引っ掛け、やっと手中に入れた。

少々腐食しているがまさにあのリングだろう。
不思議な事もあるものだと海岸沿いを歩く。



11時30分
骨董品のような足踏みミシンが捨てられようとしている。
これはもったいないと思うのだが、どうにもならず写真を一枚。

     



11時40分
裏道を歩くとニワトリに遭遇。
放し飼いとは驚いたが、
ニワトリが追いかけてきて、
話しかけようとする仕草にはもっと驚いた。

     

     

     

     



11時50分
スーパーでおにぎりとお茶を購入し、夏にウミガメを見た浜へ行く。

途中の芝生で、またもや“黒川リング”発見。
いったいどうしたものだろう。
とりあえず、写真だけは撮っておいた。

     

     

ベンチに腰掛け、読書をしながらおにぎりを頬張り、
最終ページを二度読んでから、スケッチを描く事を決意する。

     



12時20分
波音とペンの摩擦音しか聞こえない中、
集中して描いている。


突然、私の名を呼ぶ者あり。
飲み屋の女性店員。

「お前邪魔するなよ〜」と目で訴えたが、
新潟の実家から、雪だるまを持って来たのだという。
その撮影をするらしく、かなり興奮していた。

ここで「すごいじゃない!」と言えるようになったのは、父島のおかげか・・・。



13時30分
迷いなく集中して描けたスケッチは、たいてい自分では満足できる代物である。

何故か黒川先生の代表作への想いを描いていた。
14時からの打ち合わせに少々時間があるが、
この絵を眺めていると蛇足になりそうなので散歩することにした。


いつも通る公園を歩いていると、一羽の鳥がこちらを見ている。
カメラを向けると小走りに逃げたので、「何もしないよ。」と独り言。
諦めて数歩歩くと、すぐ近くにその鳥がまたやってきてこちらをニラム。
「どうせカメラ向けたら逃げるでしょう。」と無視して歩き、
振り向くと、またそこに硬直したその鳥。

     

まるで私とダルマサンガコロンダを楽しむかのよう。
数度くり返した後、再度振り向くとその姿はなかった。


今まで歩いた事のない道があって、そこを歩いてみた。
この島は都会と違い隣地境界塀がないので、歩いていて気持ちが良い。

小さい教会は、特にデザインされたものではないが落ち着いて見え、
道路から丸見えとなるある民家は、
巨大な庇となるような樹木が奇麗な花を咲かせていた。

     

     

     



13時50分
そろそろ打ち合わせ場所へ向かうかと早歩きを始めると、
私を通り越して車が止まった。
親分であった。

仕事の話を少々したが、わざわざ車を止めるほどの話ではなかった。
黙って立っているので、
「前回の渡航で見れなかった樹木、今回の渡航で見たいのですが・・・。」と発すると、
「今からなら。」と返される。

もう一時間早く拾ってくれれば・・・と、
スケッチを描いていた時間を悔やんだが、
「まぁ、また近いうちに。」と言って別れた。



14時
この打ち合わせ、スッポカシタラまずいよなぁ・・・と頭の中はそのことばかり。
気付くと“黒川リング”が一つしかなくなっていた。

スケッチしたことを悔いて、罰が当たったか・・・。
写真を撮っておいて良かった。



15時30分
打ち合わせ終了、宿に戻り書類作成。



16時10分
次の打ち合わせは、17時から16時半に変更になったのを思い出した。
急いで支度して宿を出る。

歩きながら、ずっと“黒川リング”がどうしてなくなってしまったかを考えていた。



16時30分
打ち合わせ開始。



18時
打ち合わせ終了。

宿に向かいながら会社に連絡。
頭の中はなくなったリングのことばかり。
印鑑やUSBメモリーを入れるチャック付きの袋に入れて、
全くその袋を開けもせず、確認しようとチャックを開けるとなくなっていた。
よく分らん・・・頭を抱える。

今日は現地の人と飲みに行く約束をしている。
カメ店長には申し訳ないが、
行けない理由をわざわざ言いに行くのもおかしな話だ。



18時15分
着替えて宿を出る。



18時30分
待ち合わせ場所近辺をフラフラしていると、かなり多くの方々から挨拶された。
この時間にこの待ち合わせ場所は私には酷である。

それにしても約1年で知り合いが増えたものだ。
ダテにアルコールを飲んでいない証拠だ。



18時40分
店へ移動。

カメ店長に申し訳ないと思う気持ちばかりで、店に入っても笑顔で挨拶できなかった。

宴が始まると、客が知っている奴らばかりで、
店中が見渡せる席に座った事もあり、ゆっくり飲んでいる暇もなく、
名刺を頂戴したり一杯注がれたりという状況であった。

・・・というのは半分冗談で、かなりの量を飲んだ。
何本の焼酎ボトルを空けたか分からないほど。

最後は焼酎がなくなり、ウィスキーを2本飲んだ。



23時
同世代の飲み相手であった事もあり、「海賊」という飲み屋へハシゴ。

店は絨毯敷きで、ちゃぶ台のようなテーブルがポツポツあり、
家で飲んでいる感覚という表現が最良かという雰囲気。

客が他にいなかったこともあり、1件目の店員を引き連れ、
4人でかなり騒いで飲んでしまった。



26時
もう一軒行こうという事になり、騒ぎついでにバーへ。
わけのわからん強い酒をだされ、
おそらくこのアルコール度数からいくと、テキーラクラスであろう。

私を酔わそうと思っているのか・・・。
裏から親分の親分が出てきて、
挨拶して少々の会話をすると、周囲の私を見る目が変わっていた。

それを覆す騒ぎっぷりを見せ、皆を和ませ、
これで帰っても大丈夫だろうと思ったのが27時30分。



28時
おそるおそる宿の扉を開ける。

やはりメモ有り。
10代の頃、夜遅くなって親に隠れて帰ってきた時の心境。

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