第2日目 5月20日(日)





5時
起床。
さすがに寝すぎである。

・・・とはいえ、カップラーメンを食べて、
外を眺めるとあまり天気が良くない。

少し揺れ始めた。



10時
読書する目が疲れてきて、波は2mくらいで少々の揺れ。
外で幼い子供の声がするが、怪我をせぬよう親が付いていろと思う。

窓は水滴でカツオドリが曇って見える。
彼等はどこから迎えにくるのか、孤独ではないのか・・・。
雨の中でも狩りをせねば・・・空腹なのだろう。



10時10分
今回の出張は、震災直後以来の一人出張であるが、
島の人々は手ぐすねを引いて待っていると噂が届いた。

加えて内地での仕事を終えられず持ってきてしまっている。
このような状況でいったいどのように滞在時間を費やすのか。
テーブルの上に置かれた書類の山をみて、ため息ひとつ。

水着とゴーグルもスーツケースに入れているが、使う事はできないのだろうか・・・。



11時
時間通りの到着というアナウンス。

雨が少し激しくなってきた。
加えて少々の揺れ。



11時30分
到着。

横殴りの雨である。
観光客には申し訳ない雨だ。



11時45分
常宿に到着。

ガラガラと開けるとハンプティさん、相変わらず。
いつもの部屋と、相変わらずヘタクソなニホンゴ。

それでも、「お刺身があるから、もし約束なければお昼サービスするけど?」と。
優しさに満ち溢れている。
私が一人で来ているのを知っているかのような優しさだ。

本当は皆さんにこの宿をお勧めしたいのだが、私以外の客は断っていると思う(?)。
つまり宿は貸切り状態。



12時10分
島の親分から夜のお誘い。

どこかで見られているのか・・・。
島の情報伝達は早い。



12時30分
ハンプティさんから昼食ができたと声がかかる。

お礼をいいながら席に着く。
刺身と白米と味噌汁。

これだけだが本当に美味しかった。
ご馳走様と言っても返事はなく、おそらく自分の用事でどこかへ行ったのだろう。

私の事を身内くらいに思ってくれているのか・・・。



13時
それにしても雨は止まない。

日曜日なので、少し読書をしたら出かけようと思うが、
ドシャブリのため気が進まない。



14時30分
雨が止んだようなので外出する。

海は茶色く濁っている。
観光客がこれを最初にみたら何と感じるであろうか。

   

   

   

   

鳥たちも雨がやんでホッとしたか、私に釣られて歌い出した。
ただ、歌うにはちょっと風が強いか・・・。

   

   

   

   

   



16時30分
現場確認後、ベンチに座って本を読んでいると、
鳥が隣に座った。

何だろうか、この不自然なツーショット。

写真に収めようとしたら恥ずかしがって離れた。

   

   

   



17時30分
宿に戻って、パソコンとニラメッコ。

今宵はウミガメの産卵を見ようかと妄想する。



18時30分
親分から電話。
ある店の個室にいるから来いと・・・。

外出する。



21時30分
親分はご年配なので、そんなに遅くまでは飲まない。
ご馳走になり別れると、浜へと向かった。


目的は、ウミガメの産卵。



21時30分
誰もいない浜へ到着すると、目の前にウミガメがいた。

誰にも気づかれないタイミングで浜へあがってきたのかもしれないが、
私には見つかってしまったようだ。


浜を上がり、樹木の陰で止まった。
それから、ガサッガサッと砂を掘り、産卵するシチュエーションを作っている。

星明かりしかない暗闇で、私とカメの空間である。
カメの産卵は時間がかかるというので、しばらく待つこととした。



22時10分
カメが苦しそうな呼吸を数度するようになった。

その時、私に大きな声で話しかける男性が現れた。
「カメあがってますか」と・・・。
仕方なく教えると環境庁だかに携帯で報告を始め、
その声を聞いて観光客が集う。

振り向くと人だかり、私がガックリ肩を落とした。


産卵が始まるとそこで産み終えるまで動かないというが、
産卵前のカメは、周囲の変化に気付いてしまった。

海側へ振り向く前、首だけ私の方をむいて、数度お辞儀をした。
「ここまで静かにしてくれてありがとう」か、「お前が教えたせい・・・」でか。


何れにしても申し訳ない事をしてしまった。
カメは重たい体を引きずるように、海へと戻っていった。



22時30分
海洋センターの彼は、「また来ますから気にしないで」という。
私は彼の頭をひっぱたいてやりたかった。

満天の星空を半分雲に隠されてしまった。
その星空を眺めながら、同じ人間として恥じる気持ちが生じた。

世界遺産は返上して欲しいと心から思う一日となる。

人は醜い、醜いもの同士で争うのはまだ良いにして、
人間よりもはるかに美しく純粋に生きる生物を汚してはならない。

酔いもしないで、こんなコメントを記してしまった。
おそらく今夜は眠れないだろう。



                                 第2日目終了 第3日目へ続く

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